お嬢様部wiki

　肉体を鍛える、または知力を磨く部活動・サークルが在るならば、精神を養わんとする集団が存在していても違和は無い。因って、電子の海を渡り全国に広く普及している此の部活動は、決して理解のし得ない類のものではない。

　そもそもお嬢様とは何か。答えは不明である。そもそも日本人は、ありもしないキャラクターを日本語の柔軟性を活用して創造することに秀でている。博士の「〜じゃ」、中国系の「〜アル」「〜ネ」等が該当する。多分に漏れずお嬢様も同様である。「〜ですわ」と云う語尾に加え、婉曲的な表現、満ち足りた生活、専属の執事が付いている等、ユニークで多様な要素によって構成されている。そういった架空の存在に自身を擬する事を愉しむのである。

　この部の活動拠点とするところは、Twitterである。この非公式の部活動は、各々モデルとする「お嬢様」を想起し、口調や振る舞い等を演ずる、または餐・菓子の手製を実践することにより、令嬢の如き高潔な精神を養う事を目的とする。具体的な活動内容は、SNSを通じ我々の活動している様や実態を広く知らしめると共に、部員の募集等も行っている。また、「お茶会」と称し、他校のお嬢様との交流を重ねると云った形式の活動も存在し、人脈形成の場としても機能している。基本的に、自身の在籍する学校名を標榜して活動しているが、大学名を積極的に公表する事が憚られる者は、匿名のお嬢様として活動したり、学校に属さない執事となったりする事等も可能である。お嬢様というベールを一枚隔てることにより、中の人の年齢や性別といった素性を隠し、皆が対等に接することが出来る点が魅力である。また、お嬢様言葉を使用することによって尖ったニュアンスを和らげることが出来、無益な争いを生み出すことなく平和が保たれる。そういった理想郷のような界隈がここ、「お嬢様界隈」なのである。そして、我々は新規参入者を心から歓迎する。

　純粋にお嬢様としての優雅な生活を再現する者、生配信をしてリアルな声を皆に届ける者、手作りの料理等を披露し合う者。また、文章の朗読等を行う者もいる。活動内容は多岐に亘り、其々の部が持つ特色が色濃くみられる。現実的・実践的な活動を通してより自立した一個の存在としての価値を高めようとする積極的な意識により行われている。

　大学の看板を掲げ、日本初のお嬢様部を創設したのは京都大学である。しかしながら、なんJの『ここだけお嬢様しかいない実況スレ』を源流とはせず、何ら関わりがない。京大はSNS上での活動を想定していなかったそうであるが、新入部員獲得の為の広報としてアカウントを開設した。京大に続き旧帝、早慶 (順不同)にも創設され、ひいては中学・高校/高専・塾等にも波及している。更に詳細な説明を加えると、お嬢様部ームは全部で4度起きており、阪大などの第一次、慶應・横国・早稲田・北大などの第二次、北大のツイートがバズったことによる第三次、MJお嬢様部のツイートがバズったことによる第四次と云った様な流れである。2020年の6月16日には熊本大学お嬢様部に顧問が付き、翌17日には二ツ葉高校お嬢様/執事部?が公認化された。お嬢様界隈が決して身内ノリの眇眇たる集団ではないことが確実に証明され始めている。趨向に注目する價値は有る。

• 規模の拡大に伴い、中には過激な発言・不適切な発言をする部や、設立直後に飽きて辞めてしまう部などもある。
• SNSを用いて宣伝活動を行う部活動は非常に多いが、我々ほどネットに依拠した活動をしている部は無い。SNSによって人気を獲得することは、今世では非常にたやすく、また創設開始に伴いお嬢様同士のFF関係が締結されるためある程度の認知度が得易く、初動で躓く懸念は無い。従って創設時の環境は十分に整備されている。しかし裏を返せば、そこから如何に規模を拡大していくかは運営者自身の戦略と熱意にかかっている。
• 突発的な盛り上がりを見せたコンテンツにはアンチが湧くが、一方で面白いと言ってくれる方も多くいる。批判に耐えうる胆力、継続し続けられる精神力を少なからず要する。「お嬢様部はオワコンだ」という声もある。
• ツイキャスでの生配信が大きな盛り上がりを見せている。先陣を切ったのは横浜国立大学お嬢様部?であり、その後次々と多くのお嬢様/執事がキャスデビューを果たしていった。
• お嬢様同士が実際に顔合わせをする、通称「お茶会」なるものも最近の流行である。部員同士での顔合わせは別段目を引くようなものではないが、学校・地域の枠を超えたお茶会は、北海道大学お嬢様部部長の四詩乃と、酪農学園お嬢様のいろはによって行われたものが初である。余談として、どちらも北海道の、しかも隣接する市の大学であるにも拘らず何故か世田谷で開催された。
• 北海道のお嬢様同士で「北海道お嬢様連合」が設立された(命名:酪農学園お嬢様いろはによる 略称:北嬢連)。北嬢連による大規模なお茶会も行われた。